「変わろうとする会社を後押ししたい」
テックカンパニーができる不動産業界への貢献とは

代表取締役 酒谷信佳

2000年創業の不動産テックカンパニーから見て、不動産業界はどのように映るのか。業界の現状や未来を、代表の酒谷が本音で語る。

スタートは、システムの会社だった

まずは、DataBeeの歩みについて伺えますか?

当社の設立は2000年です。創業から20年以上になりますが、これまでずっとテクノロジーの会社として歩んできました。現在注力している不動産テックに特化したのは、約8年前からの話です。

設立当初は、いわばテクノロジーのラボのような会社でした。「世の中に無いものを生み出す」ために心血を注ぐような、専門性の高い会社。技術思考がすごく強く、エンジニアが中心となって組織は構成されていました。

製品・サービスとしては、PC→スマホサイト自動変換システムや携帯サイトFlash生成エンジンなどをはじめとして、時流にあわせた様々なサービスの開発・販売を行ってきました。そして2016年には、弊社の代表的なサービスにまで成長した、不動産会社様向け広告管理・顧客管理ツール『みらいえ』の開発をスタート。現在は、大きな時代の変化の中においても20年以上の黒字経営を継続することができ、既存サービスの拡大と新たな事業展開を計画する段階を迎えています。

不動産テック専業になったのはなぜでしょう?

弊社の事業テーマである「人にやさしいIT」が最も必要とされているのは、不動産業界であると認識したことがきっかけです。 DataBeeは設立当初から不動産事業者様とのお取引もあり、複数社からシステム開発などを請け負う中で、業界が抱える事業課題についても把握していました。

その課題とは、【高齢就業者比率が高い傾向があり、ITの活用が著しく遅れている】こと。紙中心の非効率な業務や、経験・度胸に依存した営業活動によって、労働環境や生産性の著しい低下が、慢性的に起こっている状況でした。

一方 DataBeeではその頃から、「自動化」や「UIUX」を追求した、誰でも簡単に使うことができる”人にやさしいIT”をテーマとしたサービス開発を行っていたこともあり、「この技術で不動産業界の課題を解決したい」という想いのもと、まずは不動産領域で自分たちの理念実現に舵を取ることを決断しました。そして2016年にリリースすることとなったのが、弊社を代表するサービスのひとつ、不動産会社様向け広告管理・顧客管理ツール『みらいえ』です。

不動産業界の現在の姿

不動産業界にもテクノロジーの波は押し寄せているのでしょうか?

業界動向も年々確実に変化していますし、テクノロジーが活用しきれていない現状に、少なからず問題意識を持たれている事業者様も増えている印象です。そして、すでにテクノロジーを導入されていたり、導入の検討を始められる企業様も増えてきていますね。

また暮らしとITが身近になったことで、一般消費者の意識も徐々に変化している状況です。たとえば不動産物件の購入を検討している場合、近年では内見をする前には購入の意思を固められているお客様がほとんど。逆に、現地で検討されるケースはかなり減ってきています。以前のように不動産会社に行って探すのではなく、ネットで事前に調べ尽くした情報をベースに購入する。そんなお客様の意識や購入プロセスの変化が、ここ数年で急速に起こり始めているのを感じています。

なるほど。その変化の流れにDataBeeはどのように貢献しているのでしょうか?

確実に変わりつつある顧客ニーズに適応し、業界全体を後押しすることを目的として、特に事業のキモである「集客・広告の最適化と来店率・成約率の向上」を、弊社のテクノロジーで変革したいと考えています。

弊社が提供する『みらいえ』では、広告やDMの開封率やクリック率などを基に、物件広告づくりの最適化と自動化が可能です。これまで属人的で感覚的に送付していた広告やDMについても、より成約確度の高い内容をデータとして蓄積。データを基に組織内で横展開を行い、広告を制作・送付することができます。

このようなテクノロジーによって現場の業務負担は大きく軽減されるだけでなく、データに基づいたより生産性の高い営業活動にすることが可能です。機械にできる役割は機械に任せ、人間はよりクリエイティブな役割に注力を。サービスを通して人が成長し、人が成長することで組織が成長することこそ、弊社のテクノロジーサービスが提供できる、代表的な価値であると考えています。

不動産テック業界にもいろいろな会社がありますが、その中でDataBeeの強みは何ですか?

創業から継続して不動産関連のテクノロジーを扱ってきたことと同時に、業界で働く方々やそのお客様の動向を把握し、その経験を基に自社サービスをアップデートできていることだと思います。よく勘違いされるのですが、テクノロジーの観点だけでは良いサービスを生み出すことは非常に難しいもの。セールスマーケティングを含む業務の知見があるからこそ、不動産業界で必要な情報のテック化ができていますし、そのお陰で”働く人に寄り添うシステム”を創ることができていると考えています。

テクノロジーを通して人を成長させ、さらに組織の成長を視野にいれた『みらいえ』は、まさに弊社の強みを体現させたもの。一般的にはITサービスの焦点は「UIUX」に向かいがちですが、誰もが水やガスのように身近に使うことができるよう「自動化」に注力をした、「人にやさしいIT」を提供することが私たちのこだわりです。複雑な情報技術をより身近なものにできるよう、今後も尽力していきます。

ミライエが変えていく業界の未来

不動産業界は今後、どのように変わっていくと思いますか?

今後はさらに、業界全体が効率化の方向に進むと思います。DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉がありますが、デジタルの力で業界はより一層生産性が向上し、今後もさらに大きく変化していくと考えています。

その一例として『みらいえ』を導入した組織の場合には、データドリブンによる生産性の高い営業スタイルへと、システム活用を通して組織体制が徐々に変化していきます。先程紹介した広告やDMと同様に、優秀な営業の行動データを蓄積し分析。成約率の高いナレッジを横展開することで技術の下支えが可能ですので、現場の意識や行動にも変化が起きるのです。

極端なことを言えば、優秀な営業の行動量と技術を新人営業に共有することも可能ですので、最短距離で”そこそこ”の成果を上げることだって、システムサポートによってできる場合もあります。つまり、上司や管理職は従来教育に掛かっていたリソースを、今後の新規事業立案など「やりたいこと」に費やすことができる。この一例をとってみても、今後の不動産業界が大きく変わっていくことがイメージできるのではないでしょうか。

そのために、DataBeeはどのような貢献ができそうですか?

ひとつの例ですが、不動産営業をされている事業者様に向けて、効果的な営業手法などを何パターンか用意することを計画しています。

それは、属人的でノウハウが蓄積されていない組織が多いことが、不動産業界の課題のひとつであったからです。その大切なノウハウを弊社システム上でわかりやすく集約し、テクノロジーの力で「集まる・売れるをテクノロジーで科学する」で誰でも使えるノウハウ、システムを提供したいという想いがあります。そのノウハウを通して人が成長し、組織が成長することで業界やお客様に貢献していきたい。そのような想いで『みらいえ』の成長についても、日々画策しているところです。

最後に、DataBeeの未来について伺ってもよろしいですか?

2025年には不動産事業者様への圧倒的な貢献を果たし、『みらいえ』を業界認知度100%のサービスにすることをまずは目指しています。本サービスに不動産業界の商品情報と顧客情報が集約されることで、業界内におけるセールス・マーケティングの半自動化まで成長させることが私たちの目標です。不動産領域においてデータドリブンな世界を実現し、日本の不動産業をより素晴らしい仕事へと発展させていきたいと考えています。そして2026年以降は、不動産業界で培ったノウハウを武器に、同様の課題を抱える他の業種でも活用できるサービスへ横展開していく方針です。

現在、不動産業界における日本の労働生産性はなんとアメリカの1/4。しかし、企業の生産性をテクノロジーで向上させることができれば、日本の製品や企業はまだまだグローバルに戦っていくことができると、私は確信をしています。これまで立ち遅れていた日本のセールス・マーケティング活動に革新を起こし、テクノロジーを通して人や組織、さらには地域や国と共に成長する未来へ。今後も「人にやさしいIT」のモットーを胸に、サービスを発展させていきたいと考えています。

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